ご挨拶
東アジア倒産再建シンポジウムは、これまで2009年4月に韓国(ソウル)、2010年10月には中国(北京)において開催してまいりましたが、この度は日本(東京)で2011年10月29日と30日の2日間の日程で、第3回目のシンポジウムを開催することとなりました。第1回は韓国の韓国倒産法研究会、第2回は中国政法大学民商法専門学院が主催しましたが、今回のシンポジウム開催に先立ち2011年4月に東アジア倒産再建協会を創立し、これからはこの協会が毎年1回、日本、韓国、中国の順で開催することになりました。
こうした活動を開始した趣旨は、日韓中の三国の倒産再建法制と実務に関する第一級の研究者、実務家、経済人が集まって、相互に経験と意見を交換・交流することにより切磋琢磨し、既に経済規模では米国とEU諸国に匹敵する東アジア圏三国の倒産再建法制と事業再生の実務を、透明性と経済合理性のあるものに磨き上げようとするものです。
今回のシンポジウムでは、『M&A/プレパッケージ』、『企業価値評価~再生計画に関連して~』、『DIPファイナンス』、『担保権の取扱い』、『労働問題・レガシーコスト』及び『クロスボーダー案件』の六つのテーマについて、各国の実例に基づいた報告と意見交換をすることを予定して準備をしております。
このシンポジウムでは英語ではなく日韓中の三ヶ国語を公用語としております。言葉の障壁を取り除いて、三国の現場で活躍中の多くの実務家に参加して頂くためと、英語圏の参加者ではなく、東アジア三国の専門家が主導する会合であることを鮮明にするためです。
三ヶ国語の同時通訳者を要するために多額の費用を要し、また第1・2回のシンポジウムでは費用の大半を各主催国で負担していただいたために、今回のシンポジウム開催にあたっては、大金融機関(證券会社も含む)、大法律事務所、大監査法人系アドバイザリー会社、コンサルティング会社から多額の財政的援助を頂戴しました。あらためて感謝申し上げます。
2011年10月に日本(東京)で開催されるシンポジウムで、中韓日の専門家の皆様にお会いできることを楽しみにしておりますし、三ヶ国の専門家同士の友情を発展させる機会になることを期待しております。