ご挨拶
東アジア倒産再建シンポジウムは、2009年から毎年、韓国、中国及び日本において、その順に持ち回りで開催しており、今回は、いよいよ第3巡目の最後第9回シンポジウムを、2017年11月25日と26日の2日間、日本の東京において開催することになりました。
本シンポジウムは、倒産再建業務の第一線で活躍している各国の学者、実務家、その他すべての方々が集まって、自らの経験と意見を交換し交流することにより、そこで得た知見をそれぞれの国の倒産再建法制や実務の改革に生かし、これによってそれぞれの国で経済の発展を裏面からしっかりと支えていく制度を築き上げること、そしてそれと同時に、東アジア経済圏に各国の倒産再建業務の専門家たちのネットワークを構築することを目標としています。
そしてこの目標は、本シンポジウムにおいて交換された意見や情報が、韓中日三国それぞれに対して刺激を与えることによって、それぞれの国において着実に達せられつつあります。最近では、このシンポジウムのそうした影響を、それぞれ自国の実務や議論においてひしひしと感じますし、また毎年行われるこのシンポジウムで他国の議論を聞くたびに、実感をもって認識するようになっています。
さて、今回のシンポジウムでは、3国共通のテーマとして『実際のケース紹介』『債権者委員会』、『海運業界の再建手続(国際倒産を含む)』という3つのテーマについて、また各国個別のテーマとして中国からは『ゾンビ企業』、韓国からは『プレパッケージ型倒産再建手続』、そして日本からは『事業再生制度の現状と将来の課題』について、それぞれ報告がなされ、それらについて各国からのパネリストが意見交換をすることを予定しています。各国の倒産事業再建のリーダーたちによる積極的な意見交換と交流とが、各国の倒産再建法制を、将来に向かってさらに実務的で公平なものにしていくことを祈って止みません。
末筆ですが、本シンポジウムの趣旨にご賛同いただき、財政的ご支援をいただいた銀行・証券会社、法律事務所、監査法人系アドバイザリー会社、コンサルティング会社、その他ご支援下さったすべての皆様にあらためて感謝申し上げます。
2017年11月25日、26日、紅葉の美しい日本で開催されるシンポジウムで、皆様にお会いできますことを心から楽しみにしています。
坂井 秀行
東アジア倒産再建協会日本支部長