ご挨拶

東アジア倒産再建シンポジウムは、毎年、韓国、中国及び日本の各国において持ち回りで開催しており、2009年及び2012年には韓国で、2010年及び2013年には中国で、2011年には日本の東京で開催されました。今回は、日本の美しい古都である京都において、2014年9月27日と28日の2日間の日程で、第6回目のシンポジウムを開催することになりました。
本シンポジウムは倒産再建業務に従事している各国の第一級の学者、実務家及び経済人らが集まって、相互に自らの経験と意見を交換・交流することにより切磋琢磨し、それぞれの国の倒産再建法制への提言や実務における取扱いの改革を通じて、東アジア経済圏における倒産再建実務をより公平、迅速かつ経済合理性のあるものにしていくことを目標としています。
本シンポジウムの会長を務められたこともあり、現シニアアドバイザーでもある高木新二郎先生が、昨年、中国の北京で開催されたシンポジウムにおいて日本の私的整理制度の問題点として指摘されていましたように、債権放棄に債権者全員の同意を必要としていた私的整理のルールが政府において見直されることが決定されました。このように、本シンポジウムにおける意見交換が徐々に実を結び始めているのではないかと思います。
今回のシンポジウムでは、『早期事業再生』、『倒産企業の経営者責任』、『金融機関の倒産』という3つのテーマについて、各国の実例に基づいた問題点や解決策の提示、それらに対する意見交換をすることを予定しております。本シンポジウムでの積極的な意見交換が、将来における各国の倒産再建法制をより実務的で公平なものにしていくに違いないと確信しております。
また、最後になりましたが、シンポジウムの趣旨にご賛同いただき、開催にあたって財政的ご支援をいただいた金融機関(証券会社も含む)、法律事務所、監査法人系アドバイザリー会社、コンサルティング会社の皆様にあらためて感謝申し上げます。
 2014年9月に日本の京都で開催されるシンポジウムで、皆様にお会いできますことを楽しみにしております。



上田裕康

東アジア倒産再建協会会長兼日本支部長  上田裕康